社会基盤を根幹で支える地盤の力学挙動の解明
社会基盤構造物を縁の下で支えているのは地盤です。そのため、安全な社会基盤を構築するためには、地震や降雨など、様々な外的作用に対する地盤材料の応答を正確に把握する必要があります。さらに、様々な構造物に対して、地盤と構造物間の複雑な相互作用を解明し、その力学挙動を明らかにすることが重要です。本研究室では、「材料」としての地盤の力学特性をはじめ、地盤と構造物の相互作用について実験と数値解析を用いて研究を行っています。
社会基盤構造物の創造・保全・維持管理を志向した地盤工学研究
道路・鉄道・空港や河川堤防といった土木構造物の多くは、盛土や切土によって造成された地盤構造物です。また、地盤は橋や建築物を支持する基礎としての役割も有しています。このような、社会インフラとしての地盤を創造・保全・維持管理していくため、地盤挙動を把握・予測する技術開発などの基礎的研究から、社会インフラ施工時の地盤の安定性や災害時の地盤構造物の粘り強さの評価などの応用研究を行っています。
ジオフロント環境に配慮した地下空間の創造・保全・維持管理
都市空間や地表の環境保全・有効利用のため、3次元的な視点から新しい空間として地下空間(ジオフロント)の利用が注目されています。環境に配慮した地下空 間の創造・保全・維持管理のために、地表から地下深部に至るまでの地盤・岩盤および地下水の特性(力学的、水理学的)を解明する研究とそれに伴う先端計測 技術の開発、こうした特性の不確実性や社会的要求・コストなどを考慮して地下空間をマネジメントするジオリスクマネジメント研究、さらには両者を組み合わ せ複雑な地盤・岩盤・地下水を総合的に取り扱う複雑系の問題について教育・研究をおこなっています。
本質的・基礎的な理論の開発からハイパフォーマンスコンピューティングまで、土木工学の未来を切り開く
土木工学にまつわる問題の多くは、単一の物理現象ではなく、固体や液体、気体の力学現象、物質や熱の移動、化学変化といった複数の物理・化学現象が同時に起こるマルチフィジックス問題です。当講座では、土木工学にまつわるマルチフィジックス問題に対して、本質的・基礎的な理論から実問題を解く高精度・大規模な数値計算技術の開発まで幅広く取り組んでいます。
具体的には、材料の性質を記述するモデルの開発から、個々の物理現象を司る方程式を組み合わせた支配方程式の導出、コンピュータを用いた数値計算への実装、実問題・大規模問題への適用までを研究対象としています。モデルや数値計算の検証・改良過程で必要な室内試験や現地計測も積極的に行っています。一見、複雑に見えるマルチフィジックス現象を、できるだけ少なく簡潔な仮定を組み合わせることで巧みに記述することが当講座のテーマです。
都市域の地盤災害学理の構築と防災性能向上への展開
水際低平地を中心として高度の発展を遂げ、急速に周辺丘陵地へと拡大する都市域では、地震時液状化、宅地造成地盤崩壊、人工・自然斜面崩壊など、地盤災害の危険性が増しています。これらの地盤災害に対する都市域の脆弱性診断技術と危険度評価技術の高度化、地盤基礎構造物の性能向上技術の開発が急務となっています。
当研究室では、このような防災工学上の課題に対して、有効応力解析に基づく非線形動的解析による脆弱性診断と性能評価、GISや都市情報データベースによる広域地盤モデルの構築、遠心力載荷装置を用いた地盤災害の再現模型実験など、あらゆる角度から取組んでいます。
地盤・水文環境を守る,循環型社会の確立,巨大災害からの復旧復興への貢献
地盤・水文環境は生命・社会の基盤として不可欠であり、人間活動との調和を図りながら持続可能な形で活用する必要があります。 本分野では、人間活動に伴い排出される廃棄物や副産物を地盤材料に還元させたり地盤環境に受け入れる技術、汚染された地盤・水文環境を修復する技術、環境負荷の小さい社会基盤整備技術の開発を通して、地球環境と共生し経済・社会システムの変化に対応しうるインフラストラクチャ(社会基盤)の創造を図ります。
農業水利・農業施設工学を基盤とする長い歴史を有し、農業水利施設、ため池、堤防、ダム等の社会基盤施設を対象に、豪雨・地震時の挙動評価、浸透・侵食・破壊メカニズム、非破壊診断、維持管理に関する研究を行っています。